鉄剤投与にて、軽快した産後うつ傾向の一例
演題
鉄剤投与にて、軽快した産後うつ傾向の一例
所属・演者
おかだ小児科医院(高島市) 岡田清春
抄録
母親のメンタルを改善することは、子どもの利益に繋がると考える。 症例は28才女性、第四子出産後より、易疲労感がひどくなったが歳のせいと考えて、放置していた。 昨年12月感冒にて当院を受診したさい、眼球結膜の蒼白を認め、採血したところ、Hb10.0g/dl、フェリチン5ng/ml 以下と鉄欠乏性貧血を認め、フェルム100mg 1カプセル分1(食直後)を開始した。東邦大式SRQ-Dは21点であり抑うつ傾向ありと判定された。 3ヶ月経過後、易疲労感は消失し、気分もすっかり良くなったとたいへん喜ばれ、Hb12.2g/dl、フェリチン14.2ng/ml と改善し、SRQ-D は3点(抑うつ傾向なし)と著名に改善した。 鉄剤投与のデメリットとメリットを考えるとフェリチンをチェックし、鉄欠乏状態が認められたら、鉄剤を投与してみる価値は十分高いと考える。
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