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開業小児科医の熱傷治療経験

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演題

開業小児科医の熱傷治療経験 -深い熱傷9例のまとめ-

所属・演者

医療法人福田診療所 大阪市西淀川区 福田弥一郎

抄録

 当院はごく普通の開業小児科であるが、この2年間で、上皮化までに2週間以上かかった比較的深い熱傷を9例、湿潤療法で治療した。9例の内、受傷から上皮化まで4週間以上かかった症例が5例、2~4週間で上皮化した症例は4例あった。最長は上皮化まで79日を要した。4週間以上かかった5例中、3例に過剰肉芽が出現、4例には肥厚性瘢痕が発症、それぞれ治療を行った。2~4週間で上皮化した4例は、全例過剰肉芽も肥厚性瘢痕も出現せず良好な結果であった。9例全て、治療開始後の発熱はなく、皮膚移植その他の外科手術も不要で、機能的にも美観的にも本人家族共に概ね満足される結果を得た。従来の治療指針では2週間以上経っても上皮化しない熱傷は皮膚移植の適応とされているが、当院での経験からは、たとえ上皮化まで4週間以上かかる深い熱傷であっても、入院を要さない程度のものであれば、早期の皮膚移植は不要と考えられた。

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