乳児硬膜下水腫の3例
演題
乳児硬膜下水腫の3例 —1年あまり経過を観て学んだこと−
所属・演者
くまがいこどもクリニック(尼崎市) 熊谷直樹
抄録
この1年あまりの間に、乳児の硬膜下水腫を3例(生後3か月児1例、4か月児2例)経験した。
発見動機は、けいれん様仕草、医師の気づき、親の訴えなどそれぞれ異なる。いずれも頭部CT検査により診断したが、日常の診療においてどのような例に検査をすべきか迷うことは少なからず経験する。
虐待や親の不注意など原因は様々であるが、その探索には難渋することが多い。さらに外科的な処置に対する考えは小児科と脳神経外科では異なる場合があり、小児科医として忸怩たる思いもする。
経過を観ていくことの必要性を十分認識しつつも、発達が遅れるであろう子どもを持つ保護者に対して、責任ある説明ができないことも大きなストレスである。また地域の社会医療資源を活用すべきであると理解していても、実際にはなかなか困難である。
親の訴えや診察場面から検査診断に至った経緯と、1年あまり経過を観て学んだことを報告し、今後外来小児科医としてどのような態度で保護者に向き合えばいいのか、参加者の智慧をお借りしたい。
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