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糖質制限をして見えてきたもの

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演題

糖質制限をして見えてきたもの

所属・演者

おかだ小児科医院(高島市) 岡田清春

抄録

 ここ1年糖質制限という言葉がよく見られるようになった。つい最近も糖
尿尿病学会で治療食の選択肢の一つとして認められた。
 演者も本年2月に糖質制限をはじめ、体重が10kg減量し、今年の検診で腹
囲がメタボリックシンドロームの基準以下となった。一方糖尿病学会の理
事の中には糖質制限の長期的な安全性が不明とする意見もあり、この場で
糖質制限を勧めるわけではない。
 そもそも、血糖値を上げるのは主に糖質のみであり、砂糖やでんぷんを
摂取したあとに、血糖値が上昇する。細胞障害レベル以上の高血糖になら
ないように追加インスリンが分泌されることはよく知られている。その結
果血糖値が低下し、小腹が減って、間食が欲しくなる。この時グルカゴン
やアドレナリンが分泌されるだろう。このように食後高血糖、食後高イン
スリン血症が一日数回繰り返される。糖質制限により、食後高血糖、食後
高インスリン血症は解消され、肥満が解消され、糖尿病の方では血糖コン
トロールが良くなると考えられている。
 さて、糖質制限を行なっていると感じるのは、現代はなんと糖質過多社
会であるのかということである。スポーツ飲料には500mlで角砂糖10個、
ショートケーキ1個で角砂糖8個相当の砂糖が入っている。また、うどんと
おにぎり、林立する牛丼屋、回転寿司、ファーストフード店、おやつには
ポテチをはじめとするスナック菓子。さらには子どもたちの朝食のメニュー
がおにぎりだけトーストだけなども多いようだ。
決してバランスの良い食事とはいえない。子どもたちの食事も糖質をキー
ワードにして見なおしてみると何かが見えてくるかもしれない。

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