教育・福祉と連携したダウン症総合診療の構築を目指して
「 特別講演 」
演題
教育・福祉と連携したダウン症総合診療の構築を目指して
演者
玉井 浩(医)
所属
大阪医科大学小児科
抄録
昨年主催した第59回日本小児神経学会学術集会において、我々の教室のモットーでもある『-医療・福祉・教育のはざまで-すべての子どもに輝きを』にそって、会長講演を行った。ダウン症児が医療だけにとどまらず、福祉や教育の中でどのようにケアされているのか現状を把握し、今後どのようにケアされるべきか、さらに乳幼児期から学童期、青年期、高齢期に至るまで、だれがどのようにケアするべきかを考え、総合診療、総合支援のあり方について報告した。小児期の診療は合併症対策が中心で、他診療科との連携をすすめるだけでなく、運動発達支援、言語コミュニケーション発達支援をすすめ、生きていくためのスキルを向上させること、福祉や教育との連携をすすめる地域社会作りが重要である。ところが、成人期の診療方針はまだ定まったものがない。成人になった際にどのような実態があるのかが明らかになっていないからである。疾患が現れる前に対策が取れるような医療を含めたケア・システムを確立しておく必要がある。
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