小児科外来診療における動機づけ面接の応用
特別演題
小児科外来診療における動機づけ面接の応用
所属・演者
大阪市立大学大学院発達小児医学教室准教授 川村智行
座長
藤岡雅司(ふじおか小児科/富田林市)
抄録
小児科外来診療では、多くの感冒や胃腸炎と言った一過性の感染症患者に追われたものになってしまいます。そのような中に多様な慢性疾患の診療が必要なことも小児科の特徴です。そして一過性の感染症でも慢性疾患でも、生活改善や考えの修正をしたい患者やご家族が多くおられます。短い診察のなかで食事や運動、服薬といった患者の療養行動を指導することにストレスと無力感を感じることは少なくありません。
今回紹介します動機付け面接(Motivational Interviewing: MI))は、アルコール依存症のカウンセリングから発達した面接法です。クライアントが、面接法によって変化していくことが明確にされました。今では禁煙や生活習慣病、司法、教育などの広い分野でMIは用いられ有用性が報告されています。
MIでは、患者さん自らの問題点を語り、変化の計画を立てることを支援します。私自身は、MIを学ぶようになってから診療が変わったと思います。それまで何とか説得しようと力んでいたのが、MIによって患者さん自ら変わる方向へと向かうことが実感できるようになりました。この講演では、小児科一般外来でのMIの応用について紹介させていただきます。MIを学ぶために入り口になるようにできたらと思います。
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