対人場面の成立が困難な発達障害児が訪問リハビリテーション介入
演題
対人場面の成立が困難な発達障害児が訪問リハビリテーション介入によって療育サービス開始に至った一症例
演者
松岡雅一(他)
所属
訪問看護ステーション リハステージ
抄録
【症例】症例は原因不明の重度精神運動発達遅延の1歳9ヶ月の女児で、母からの分離不安が強く、家族も児の病気を受容できていなかった。母の精神的・肉体的負担が大きく、主治医に相談があった。何らかの福祉サービスの介入が必要と判断され、訪問リハに依頼があった。
【介入】主治医からの訪問看護指示(医療保険)にて在宅で理学療法を開始した。先ずは自宅で母同席のもと、患児と週1回1時間以上過ごすことを続けた。療法士の訪問では泣かず、遊ぶ場面に関与できる頻度が増えた時点で、母も同伴し、屋外など自宅外での活動に介入した。母が不在でも泣かずに過ごせ始めた時点で療法士と2人で外出し、最終的に約1時間、母不在で過ごせた。
【結果】約1年後、知らない人が接しても泣かず、通園を開始することができた。
【考察】自宅、母同席という児が過ごし慣れた条件から介入を始め、成功体験を重ねて段階的に進めたことが児の成長を促したと考える。
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