MRワクチン接種後に野生株麻疹と同等の臨床経過を示した1例
演題
MRワクチン接種後に野生株麻疹と同等の臨床経過を示した1例
所属・演者
松下こどもクリニック(門真市) 松下 享
抄録
1歳6か月の男児。〇月12日に他院でMRワクチンを接種、21日(接種後9日目)から38℃前後の発熱・咳・鼻汁が出現、23日(発熱3日目)は発疹を認めるものの解熱したことから保育園に登園。帰宅後に再度発熱を認め、同時に発疹も増強したことから翌日(発熱4日目)に当院を受診。受診時、Koplikは認めなかったが全身性に紅斑性皮疹があり、背部では癒合した個所も確認した。MRワクチンによる副反応も考えられたが野生株麻疹の臨床経過と酷似することから、保健所に報告しPCR検査を依頼した。26日(発熱6日目)に解熱、同日の再診時には発疹は消褪傾向を認めるものの一部で色素沈着を認めた。2日後のPCRの結果は、ワクチン株と一致していたとのことでワクチンの副反応と診断した。このような野生株麻疹の臨床経過と酷似したMRワクチン後の副反応は経験なく、写真を供覧すべく報告する。
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