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高熱を伴う気道感染症の原因ウイルス検索

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演題 … 特別講演2

高熱を伴う気道感染症の原因ウイルス検索

所属・演者

原小児科(広島県開田町)  原三千丸

抄録

 小児の一次診療施設において,最も重要で頻度の高い主訴は発熱である。発
熱患児の多くは,急性気道感染症であり,その原因病病原体はウイルスが大半
を占める。小児の高熱を伴う気道感染症を診た場合,年齢と季節,さらに,咳
嗽有無などの臨床症状を念頭に置いて鑑別診断を行わなければならない。演者
らは,2008年9月より2011年8月までの3年間に,3日間以上の発熱とその間の最
高体温が39.0℃以上の気道感染症患児の呼吸器ウイルスと一部の細菌を,ウイ
ルス分離培養とリアルタイムPCR法を用いて前方視的に検索した。インフルエン
ザ(A型とB型)患児は対象から除いた。リアルタイムPCRの対象病原体と検出症例
数は以下のごとくである。全対象495例中,RSウイルスが138例,ヒトメタニュ
ーモウイルスが66例,パラインフルエンザウイルスが73例,アデノウイルスが
124例,ライノウイルスが23例,エンテロウイルスが38例,インフルエンザウイ
ルスC型が11例,肺炎マイコプラズマが15例,肺炎クラミジアが3例から検出さ
れた。ウイルス培養法を加えた検査法により,全対象の83.0%で原因病原体を,
80.4 %で原因ウイルスを明らかにすることができた。それぞれの感染症患児の
年齢分布,疫学,診断名のスペクトラム,臨床症状,さらに各種病原体の混合
感染率,リアルタイムPCR法を基準とした培養法の検出率などについて詳述する
予定である。

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