「特別講演」
「特別講演」
演題
「科学をどう伝えるか--疑似科学のもたらす健康被害」
演者
村中璃子(医師・ジャーナリスト)
抄録
2019年1月、世界保健機関(WHO)は「国際保健上の脅威トップ10」の1つに、 “Vaccine Hesitancy”を挙げた。エボラ出血熱、パンデミック、薬剤耐性などの明らかな脅威と並んで“Vaccine Hesitancy”が挙げられたのは、史上初めてのことだ。”Vaccine Hesitancy”とは、反ワクチン運動の婉曲表現で、「(安全で効果の高い)ワクチンが手に入る状況にありながらもワクチン接種を控えたり拒否したりすること」と、定義されている。医療・科学が進歩していく中で、ワクチンに限らず、薄弱なエビデンスを振り回し、それらにいたずらに反対する声は大きくなり、ますます洗練されてきている。本講演では、その結果として起きている健康被害の具体例を挙げながら、医療・科学の問題の伝え方、伝わり方について考えたい。
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