社会小児科学からみた6つの課題
演題
社会小児科学からみた6つの課題
所属
佛教大学社会福祉学部、耳原鳳クリニック
演者
武内 一(医)
抄録
社会小児科学は、子どもの社会的要因と関連するあるいはその結果に伴う健康問題を扱うことで、子どものヘルスケアを網羅する社会医学領域とされる。その理解を広めるため、外来小児科学会年次集会でWS「日本のも社会小児科学を根付かせよう」を実施している。COVID-19がもたらした子育て世帯への影響を、社会小児科学からみた課題として、1. 高い子どもの貧困率、特にひとり親世帯の貧困率が極めて高い事実、2. 子ども虐待の毎年の増加と性的虐待の相談対応件数の少なさ(発見の問題)、3. 世界で最も低い乳児死亡率のなか、無職世帯の乳児死亡率が10倍、4. 長期欠席児童生徒数がコロナ禍以降急増している問題、5. ヤングケアラーの児童労働としての問題、6. 10歳代の自殺がコロナ禍以降増加し死因トップである事実の6つが挙げられる。これらの上流にある社会のあり方を考えることの重要性を、発表を通じて確認したい。
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