日本のストリート・チルドレン及びワーキング・チルドレンの問題
演題
日本のストリート・チルドレン及びワーキング・チルドレンの問題
所属
佛教大学社会福祉学部(京都市北区)、ウメオ大学 疫学とグローバルヘルス
演者
○武内 一
抄録
家庭が居場所とならない全国の子どもたちの中に、大阪や東京の通称「グリ下」あるいは「トー横」に引き寄せられ、大人社会によって性風俗や薬物依存へ関わっていく現実がある。彼らは、日本のストリート・チルドレンだといえる。こうした子どもたちが夜働かざるを得ない状況は、そこに金銭のやりとりがあるか否かに関わらず、明らかに児童労働である。こうした限られた子どもたちに限らず、コロナ禍にあってアルバイトする身近な高校生たちが本来の学びや友だちとのつながりに負担となる働き方を強いられている現実がある。それは許容されるワーキング・チルドレンを超え、児童労働にあたる。それだけではない。そこには賃金は発生しないが、日本には多くのヤングケアラーが存在する。このことを厚労省も問題と認識しているが、まだ彼らの過度なケア役割を児童労働と考え対応すべきとの考えには立っていない。こうした子どもたちの実情と統計データを報告する。
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