小児が発端者であるCOVID-19の家庭内感染調査
演題
小児が発端者であるCOVID-19の家庭内感染調査
所属
絹巻小児科クリニック(吹田市)
演者
絹巻 宏
抄録
第31回年次集会で発表した内容を紹介する。加えて、かぜ診療を主領域とする外来小児科医にとってCOVID-19の臨床は喫緊の課題であり、その調査研究に総力を挙げて取り組むことを訴えたい。
2022年1月~3月のオミクロン株流行期に自院で診断した15歳未満のCOVID-19症例169例のうち、家庭内の発端者であった102例について調査した。発端者の推定感染源は不明23例を除くとほとんど(76例)が園・学校であった。そして102例のうち過半数(56例)に家庭内感染がみられ、同居者302人のうち約1/3(111人)が感染していた。発端者の個室隔離が感染防止に有効であり、隔離は8歳以上で可能で、隔離した場合は家庭内感染を半減させ、感染者数を2/3に減らす効果があるなど、今後の対策に有用なデータが得られた。同居者の感染リスクについて続柄とコロナワクチン接種歴を検討したが、いずれも有意ではなかった。
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