乳児期からの食物アレルゲン少量持続投与の経験
演題
乳児期からの食物アレルゲン少量持続投与の経験
所属・演者
にしむら小児科(柏原市) 西村 龍夫
抄録
近年,食物アレルギーは増加傾向にある.そのメカニズムとして,皮膚からの感作があるとされる一方,食物抗原の摂取開始時期が遅れることがアレルギーの増加につながっていると考えられる.当院ではアレルギーリスクが高いと考えられる児を対象に低用量の食物アレルゲンの投与を行っている.今回,乳児期に投与を開始し,生後7か月以降まで経過観察できた45症例の経過調査を報告する.10例は明らかな食物アレルギーの既往があり,34例は乳児湿疹,1例は両親のアレルギー疾患があり,投与を希望された例であった.初回は院内で乾燥卵白,ミルク,小麦の2.5mg経口負荷を行い,安全を確認後に自宅で連日投与した.その後,皮膚所見を見ながら7.5mg,20mgと増量した.多くの例で口周辺の発赤または軽度のじんましんが出現したが,連日投与することで消失した.アナフィラキシーなどの重篤なアレルギーを起こした例はなかった.
a:1537 t:2 y:0