乳児ワクチンスケジュールを利用した成長・発達のリスクマネジメント
演題
乳児ワクチンスケジュールを利用した成長・発達のリスクマネジメント
~小児科医の新しい価値~
所属
にしむら小児科(柏原市)
演者
○西村龍夫、西村弥生子
抄録
現在のワクチンスケジュールは生後2カ月から始まるため、乳児期早期から毎月のように小児科クリニックを受診することになる。当院ではその機会を利用して、身長と体重の測定、簡単な発達チェックや育児へのアドバイスと様々な啓発を行っている。生後2カ月ではSIDSやスキンケアについて、5ヵ月では離乳食、6ヵ月では事故予防についてのサイトの紹介などである。ワクチンは感染症のリスクを減らすことができるが、成長・発達におけるリスクはそれだけではない。ワクチン外来受診の目的が単に接種のみと考えるべきではなく、その機会を利用して成長と発達を評価し、可能な限り疾病や事故予防の啓発をしていくべきではないだろうか。それ以外にも親子間の愛着形成等、受診時に介入できる事柄は多い。小児科外来に通院することで、児の人生における様々なリスクを軽減できれば、その社会的な意味は大きい。小児科医の新しい価値につながるはずである。
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