臍ヘルニアの頻度と圧迫固定療法の効果
演題
臍ヘルニアの頻度と圧迫固定療法の効果
所属・演者
愛育小児科(徳島市) 平岡政弘
抄録
過去2年間に当院で4か月未満にワクチンを受けた399人のうち43人(10.8%)に臍ヘルニアを認めた。これを含めて過去3年間に計62例の臍ヘルニアを診断した。圧迫固定療法を継続できた54例のうち治癒に至った49例はいずれも4か月未満に治療を開始していた。4か月未満に治療を開始した52例の治癒率は、30日以内で36%、60日以内で75%、90日以内で88%であった。ヘルニア門の大きさが5㎜以下の11例のうち5例は自然治癒したが、圧迫固定療法を行った6例では有意に早く治癒した。ヘルニア門が6mm以上の大きさの50例のうち4か月未満に圧迫固定療法を受けなかった4例では全例が臍ヘルニアを持続ないし臍突出症を残したが、4か月未満に治療を受けた46例では3例のみと有意に少なかった。圧迫固定療法は臍ヘルニアを早期治癒させることができ、とくに臍突出症を残しやすいヘルニア門が大きいものでその防止に有効であった。
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