アレルギーマーチにおける食物アレルギーの再考
演題… 特別講演1
アレルギーマーチにおける食物アレルギーの再考
所属・演者
国立病院機構 大阪南医療センター 小児科 井上徳浩
抄録
食物アレルギー診療はガイドラインが発刊、改訂され、診断方法として食物経口負荷試
験が定着してきた。また、研究段階とはいえ食物アレルギーの治療法として免疫療法が注
目を浴びてきて、これからもこの分野は目が離せない状況が続くと思われる。さらに、加
水分解小麦の含有された石鹸に代表される食物と皮膚の関係は“経皮感作”という考え方
とともに未解決の食物アレルギーの感作成立を解明するうえで大きな局面を迎えてきた。
この経皮感作にはまだまだ不明な点が多いが、皮膚のバリア機能が破綻することがアレ
ルギー発症要因である感作に関わるのであれば、スキンケア治療により乳児期早期の介入
がその後のアレルギー疾患の発症に変化を及ぼすことができるかもしれない。
こうしたことを踏まえて、これまで言われてきたアレルギーマーチのなかで食物アレル
ギーについて再考し、皮膚状態と食物アレルギーとの関係について気になる点をいくつか
ピックアップして取り上げてみたいと思う。
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